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任意後見(にんいこうけん)とは?

いざという時の任意後見制度

少子高齢が進む国内では、60歳以上の高齢者の割合は、3人に1人になると予想されています。それに伴い、認知症になる高齢者も増加しています。自分の老後の生活や年金、財産は自ら管理しなければならない時代になりました。

契約を基本とする社会生活では自分の行為に対する判断能力が出来ない方に対して保護が必要です。そこでそのような方が不利益を被らないために、判断能力が不十分な方々をサポートするための制度として制定されたのが任意後見制度です。

任意後見制度とは判断能力が不十分な方の意思や希望などを最大限に尊重して、代理人である後見人が法律的に財産管理やペットの世話、医療や介護などの生活を支えます。

この制度を利用する場合、資格制限があります。
後見が開始すると、本人は医師や税理士などの資格、会社役員や公務員などの地位を失い、印鑑登録が出来なくなるなど一定の制限を受けることになります。
寝たきりなどの病状でも判断能力がある場合では、この制度を利用することは出来ません。後見人の仕事は本人の能力が回復するか、亡くなるまで続きます。

そして一番大切なのが後見人の選任です。
勿論、本人の希望する候補者を選任することも可能ですが、後見人には家庭裁判所が最も適任と判断した人が選任されます。
本人が必要とする支援内容によっては弁護士や司法書士、社会福祉士などの高い知識と専門職を持った方が選任される場合もあります。
本人に一定額以上の財産がある場合は適切に管理するため専門職を後見人、あるいは後見監督人に選任、後見支援信託を利用する運用が一般的になっています。
後見人の報酬費用は、毎月本人の財産から支払われます。また複数の後見人が親族などと役割を分担して担当する事例もあります。手続きは主に家庭裁判所で行われます。

申し立てに必要な書類は、戸籍証明、住民票、本人の財産に関する資料などです。これらを準備して裁判所に提出します。書式は各裁判所に用意されているので、窓口で確認できます。そこで相続税の申告、相続登記手続きを進めることになります。
手続きにあたっては弁護士や司法書士などの専門家に依頼することも可能です。申し立てを受けた裁判所では後見人に選任すべきか判断します。このように後見制度はご本人の権利を守り、法律的に保護、支援するための制度です。

何の備えもせず認知症など判断能力がなくまってしまうと、悪徳商法等の被害にまきこまれる危険が高くなり、大口の預金等の払い出しが金融機関で出来なくなり、委任状も作成できなくなります。

また親族が財産を使いこんでしまうなど、将来の争いの原因になることもあります。任意後見制度は将来に対する不安の解決を図るため、自分自身が判断能力がある内に信頼のおける人と契約をすることによって成立します。
心に抱えていた老後の不安が軽くなり、親族とも事前に相談しておくことが重要です。

2016/09/24