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死因贈与(しいんぞうよ)とは?

死因贈与についての説明

死因贈与は民法554条に規定されています。
これは例えば「自分の死後に全財産を貴方に譲渡します」と相手方に約束する契約です。
遺贈は自分1人だけで行うことが出来る単独行為です。

他方で死因贈与は相手方が必要な契約である点で遺贈とは法的性質が異なります。
また現行法上、20歳以上の年齢に達した時に単独で可能です。

そして効力が発生する時期については贈与の意思を表示した人が死亡した時です。
この点は遺贈と同様です。
また書類が存在しても不存在であったとしても撤回は可能です。
これは本人の生前の意思を尊重する趣旨であると解釈されています。

そして遺贈は代理は可能です。しかし死因贈与の場合は代理人が代わりに相手方と契約することは無効原因となります。
したがって必ず本人が相手方と契約する必要があります。

また民法552条2項により負担付きの贈与も認められています。
そのため相手に贈るだけではなく、自分の死後に何かをしてもらうという契約も有効となります。
死因贈与の特徴としては、法的性質が契約であるために、遺贈とは異なり相続放棄の心配がない点が挙げられます。
そのため自分の死後に仕事の継続をお願いする場合等に需要があります。

また、遺産を受け取る側(相続人)が万が一先に死亡した場合は代襲相続がない点が特徴です。
遺贈の場合は、相続人が被相続人よりも先に死去した時は相続人の子供が遺贈を受け取る場合があります。

さらに自分の死後に土地を贈与する場合は、土地を贈与する相手に仮登記をすることが可能です。
これによって自分の死後に確実に相手方に土地を贈与することができます。
この場合の登記申請は土地を贈る側と死後に受け取る側の全員が共同して行う必要がある点に注意が必要です。

また契約であるために、土地の贈与の場合は贈与取得税が課税される点にも注意が必要です。
この点、遺贈の場合は非課税です。

また相続人に対して生前の仮登記は原則として不可能です。
もっとも遺贈は原則として当事者以外は非公開ですが、自分の死後の贈与契約は周囲に公開される事が原則です。

そのため自分の死後の相続争いを回避するために、自分の生前に周囲の人間に贈与契約の内容をオープンにしたい人の場合は有益な方法です。
他方で贈与の内容を周囲に秘密にしたい場合は、遺贈を選択すると良いでしょう。
自分の生前に財産の管理と相続人をしっかりと選定しておくことが、死後の相続争いを防止する手段になります。