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非嫡出子(ひてきしゅつし)とは?

非嫡出子は、法律上の夫婦以外の子です。

婚姻中の法律上の夫婦から生まれた子を嫡出子といい、法律上の夫婦以外から生まれた子を非嫡出子といいます。

ただし、養子縁組により養子となった者は、常に嫡出子として扱われます。また、婚姻前に生まれた子でも、婚姻前に父が認知している場合や、婚姻後に父が認知した場合にも嫡出子とされます。

民法では、法律上の妻から婚姻中に生まれた子は、嫡出子として推定される、としていますが、これは、妻が夫以外の男性との間の子を産む場合もありうるので、そのような場合には、夫から嫡出否認の訴えを起こすことができることとし、夫が現実的な対応をすることができるための規定です。
そのような場合にまで妻が産んだ子との間の親子関係を夫が否定できないとすると、生まれてきた子は、夫に対して扶養を求めることもできますし、将来的には夫の法定相続人にもなりうるので、夫が著しい不利益を受けることになるからです。

かつては、非嫡出子は、嫡出子の法定相続分の半分しか認められなかったために、そのような差別が合理的なものとして許されるのかが長年にわたり裁判で争われてきました。

以前の最高裁判所の判決では、法律上の夫婦から生まれた子の法定相続分を、そうではない子の法定相続分よりも多く認めることにより、法律婚関係を保護することにつながる、という論理で、このような法定相続分の違いは許される、という判断がなされていました。

近時の最高裁判所の判決では、非嫡出子として生まれたという事実は、自分ではどうしようもない事柄であり、本人が何ら責任のない理由で法定相続分が半分しか認められないのは不当であるとする判断が下され、その後、平成25年からは、民法が改正され、法定相続分が同じになりました。

このように法定相続分については、法改正により問題が解決されましたが、現在、新たに問題となっているのが、法律上の婚姻関係にない、事実上の夫婦関係にある男女から生まれた子が嫡出子として扱われないという事態です。

事実上は夫婦として生活しながらも、夫婦別姓に反対しているとか、法律婚関係の相手方との間で離婚係争中であり、いまだに法律婚関係が続いている、などのように、あえて法律上の婚姻関係に入らない男女や入れない男女も少なくないため、このような男女の間に生まれた子の不利益、特に、戸籍上、嫡出子として記載されないことから受ける不利益、などを考えると、新たに法改正により問題を解決しようとする動きが出ています。

2016/09/24